御朱印プロジェクト
- りんく 咲花
- 2024年12月3日
- 読了時間: 6分

2024年初詣の時期、SL内の神社に呼び掛けて一定期間に御朱印テクスチャを配るイベントを始めた。御朱印テクスチャと、テクスチャを納めるメッシュ御朱印帳オブジェクトと、Googleスプレットシートで神社巡りマップに相当する参加希望の神社/寺SLurlリンク集を作った。すべて一人の手作りである。参加費無料。
知り合いがちょっとだけ参加してくれたらいいやと思っていたら、あれよあれよと64件まで膨らみ受付作業量が膨大になった。商業イベント・ハントやファンタジーフェアなら自分も店舗として参加していたので、その延長のイメージだったがとんでもなかった。
イベント申込者は、神社仏閣オーナー、カフェクラブ経営者、有名店舗クリエーター、SIMオーナー、景観や家の飾りつけやイベントを楽しむ一般ユーザーなどあまりに範囲が広い。SL歴は聞いてないけど多分バラバラだと思う。そしてSL知識もバラバラ…
スクリプトやWebアプリに詳しい人からしたらリンデンの販売設定はただ面倒なだけ。逆に画像加工もままならない人には手書きフォントを使う御朱印製作だけでも至難の業である。インワールド編集に慣れていないとギバー(頒布ベンダー)を建物の柱内にRezしてしまい取り出せなくなる。
一方で御朱印をもらう参拝客のインベントリにはガチャボックスオープン並みに各テクスチャが入ったフォルダが60件以上並ぶのである。ギバー名(フォルダ名)にも何か工夫が要るじゃないか。
私自身は着物屋なのでリグメッシュにはちょっとうるさいけどスクリプトはさっぱりで英語も出来ない。でもなるべく公平に御朱印集めをする立場重視で不慣れな人でも使えるルールを決めた。たぶん決めすぎた。
曰くギバーはリンデン公式のコンテンツ販売設定のみ。ギバーやテクスチャの名前ルールやサイズも厳格ルール。「出来る人」からも「出来ない人」からも満足できないものだったのではないか。そして管理する私も苦痛だった。
年末はみな体調を崩しやすい。RL予定も多いことだろう、そして震災もあった。私は震災地域にはいなかったが、中にはご苦労をされた人もいるかもしれない。とにかく連絡がとれないのだ。設定ミスがあるので直してほしくてもIMもノートもXのDMも帰ってこない人が想像以上に多かった。余談だがあれを限りにぷつっとINしなくなった人が複数…自分のせいとは思いたくないんだけど。
私がアタフタしているのを見て、自動化やルール厳格化を忠告してくれた人も多かった。なんなら手伝いましょうのお申し出さえ。皆さんその節はありがとうございました。お気持ち涙が出るほど嬉しいです。でも渦中で自分がやりたい仕様を言語化できないボッチクリエーターは他人に仕事を振れなかったんです。御朱印イベントの概念が固まって話せるようになったのはなんと夏イベント始まってから。初回の説明書のひどい内容、謹んでお詫びします。
さてそんな私の混乱ぶりをよそにイベントは盛り上がった。参加してくれた有名景観SIMを海外ブロガーが取り上げ、それとは別にリンデンディスティネーションのエディターピックにも登場した。SLインバウンドである。
日本の「 八百万のかみさま」は海外の唯一神を祀る文化では理解しづらいらしい。ましてや御朱印?集めてどうする?Flickrでsakkaが書いている内容がさっぱりわからないと言われたり、24時間制の時刻表記が海外と違い訳わからんとクレーム受けたり。
海外発信が頭になかったせいでインバウンド勢に情報が届いたのは年明けて数日くらいか。oh! 2weekで60ty shrinesも廻るなんてもっと早く知らせてくれよ!みたいなコメントも見ました。そんなこと言われましても。
私は当時スプレットシートでSLurlを公開していたのだけど転載不可の記載が抜けていて、あるYouTuberは魚拓で公開したり、別の人はリストをHUD化してマケプレでフリー配布したりと、すごい反省事項があったり。
当時を見ていた人は私がテンパってるのを見てよほどひどいクレームを受けていたと思われるかもしれないけど実際はSLイベントとしてあまりに新しすぎてしかもシステムが未熟で混乱を呼んだというのが妥当なところだと思う。ほんとスミマセン。
イベント期間中に御朱印授受を演出するツールとして足りないポーズや、使いづらい御朱印帳の仕組むを改善するスクリプトを自発的にフリーで提供してくれたクリエーターさんが複数いたことも書いておかなくてはならない。ムネアツである。
が、怒涛のイベント期間が終わったら例えば突発DJイベントやカフェイベントのように自分が辞めたいときに辞められると考えていたけど、だんだんそうも行かなくなっていく。
「来年も楽しみにしています!」言われるたびに肝が冷えた。これを来年も続けるの…?
私は本来売れない着物屋でSLでは縁の下の力持ちとしてひっそり生きている身の上である。着物製作ができなくなるのはツライ。とは言えこのプロジェクトがあまりにジャパニーズSLコミュニティにフィットしてしまったのはいくら鈍感な私でも気がつく。
とりあえず御朱印まつりは、出展者がSL内の活動やSL操作の知識や経験がバラバラで、商業ハントとは似て非なるもの。プライズのSL御朱印はカルチャー遊びなので雰囲気を崩さない受け取り方に工夫が必要。What's Goshuin?な海外勢への説明も欠かせない。そこまでは理解した。なんとかこのプロジェクトを残したいし、自分の立ち位置も守りたい。
唸っている私に、今手伝ってくれているスタッフが声をかけてくれた。愚痴を聞いてくれたり英語サポートをしてくれるメンバーもいる。感謝しかない。そして御朱印プロジェクトの仕様を言語化するために自分で自動化することにした。WIXというWeb構築ツールがある。とりあえず無料で始められて内部にDBが持てる。私はHitacMシリーズ世代である。
ちょw今検索した人、発売当時じゃないからね。男女雇用機会均等法初年に就職してSEになったけど結局はお飾りでオワタ悲しい女です。WebのHTMLテーブルレイアウト時代に自前でちょっとだけ浮上したけど、それきり素人主婦の道まっしぐら。そんな私でも、だから?かゼロからでもWIXはがんばったらなんとか形になった。参加者の少ない夏イベントで試行して、さあ冬本番。そして…
本日に至るわけです。先の正月は64人参加、喜ぶ人がいるのに50人に定員を減らすの?というご意見。それはシンプルにサポートする仲間がいたとしても上に書いたような事を個人レベルで行うには難しいと考えたからです。クレーム対応の苦労ではないんです。うまく言語化…何が問題なのかもっと突っ込んで考えてみた。で気づいたこと。
「参加者との連絡」に障害があることだった。一番の問題はリンデンのシステムであることは間違いない。インワールドグループの招待がオフラインでほぼできなくなっている。IMや通知はすぐに上限に達する。
でもそれだけが問題ではないのだ。グループ枠が足りなくて入れていないのに連絡をせずスルーしてしまう人。めでたくグループ加入できてもグループ通知に気づかない・見ない、聞いてない。補助手段としてSNS、主にXを使うがそれも流れがち。商業イベントでも同じなのかな。
今回50人定員から精いっぱい頑張って60人に増やした。sakkaがもう辞めたとなるか、もう一年がんばるぞ!となるかは、皆さんのご協力にかかっています。神社仏閣参加者の皆さん、ご協力ください、よろしくお願いします。(終)